「近ごろ体を動かす機会がメッキリ減ってしまった」なんて人は多いはず。日ごろの活動量は減ったのに、なぜか食欲は減らない。飲食での摂取カロリーは多いのに、体を動かす消費カロリーが減ってしまったら、太ってしまうのは当たり前。内臓脂肪が蓄えられて、お腹はポッコリ。すんなり入っていたズボンがパツンパツンなんてことにも……。そこで参考にしたいのが、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)、『金スマ』(TBS系)、『体が硬い人のための柔軟講座』(NHK)などで話題のフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏の著書『10年後、後悔しない体のつくり方』(ダイヤモンド社)だ。本書は、中高年はもちろん高齢者でも、「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも体も脳も若返る秘訣を明かした1冊。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、内臓脂肪をストンと落とし、胃腸から若返る「食トレ」の手法を紹介する。
(監修:田畑クリニック院長 田畑尚吾 医師)
「理論的かつ結果を出すトレーナー」として数多くのトップアスリートやチームのトレーナーを歴任。卓球の福原愛選手やバドミントンのフジカキペア(藤井瑞希選手・垣岩令佳選手)、マラソンの神野大地選手の個人トレーナーほか、数々のオリンピック出場者を指導する。2014年からは青山学院大学駅伝
チームのフィジカル強化も担当。自身が技術責任者を務める東京都・神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB 100」は、無理なく楽しく運動を続けられる施設として、幅広い層から支持を集め活況を呈している。著書は『10年後、後悔しない体のつくり方』『いつでも、どこでも、1回20秒で硬い体が超ラクになる! スキマ★ストレッチ』(ともにダイヤモンド社)など。
年をとると粗食がいい?
【前回】からの続き 「年をとると粗食がいい」という話をよく見聞きしますが、本当にそうでしょうか?
暴飲暴食で太り続けている人が、減量のために一時的に粗食にする。あるいは、持病があって医師から食事の注意が入った結果、控えるべき食品が出てくるのは理解できます。でも、減量しなくていい人が、粗食にする必要はありません。
体重1kgあたり1gの
たんぱく質を摂ろう
「1日14品目」の食べトレで、きちんと栄養素を摂ってください。粗食で何より問題なのは、「たんぱく質」が不足することです。
筋肉、皮膚、髪の毛、骨、血管、内臓などは、すべてたんぱく質からつくられています。年代にかかわらず、体重1kgあたり1日1gのたんぱく質摂取が必要です。体重60kgなら60g、70kgなら70gが目安になるということです。
筋肉と骨の材料を
1日14品目から摂ろう
本書で紹介した筋トレや骨トレに励んでも、筋肉や骨の材料となるたんぱく質が足りないと、効果半減です。たんぱく質が豊富なのは、「肉類」「魚介類」「卵」「牛乳・乳製品」「大豆・大豆製品」の5大たんぱく源です。
「1日14品目」の食べトレは、この5大たんぱく源を1日で網羅するように組み立てられていますから、たんぱく質が不足する心配はありません。
肉と魚は手のひら1枚分の100g前後で、15~20gのたんぱく質が摂れます。牛乳1杯(200ml)で7g、卵1個で6g、納豆1パック(50g)で8g、木綿豆腐1丁(200g)で13gのたんぱく質が摂れます。
たんぱく質は“人体そのもの”?
たんぱく質は、「糖質」「脂質」と並んで3大栄養素の一角を占めています。この3大栄養素は、いずれも体が活動する際のエネルギー源になりますが、たんぱく質は糖質や脂質と立ち位置がちょっと異なります。たんぱく質がエネルギー源になるのは、かなり激しい運動時くらいなのです。
先ほど述べたようにたんぱく質は、体そのものをつくる材料になります。体の約60%は水分ですが、残りのおよそ半分はたんぱく質なのです。体をつくるたんぱく質は、20種類の「アミノ酸」からなります。そのうち9種類は体内で合成できないため、食事から摂るべき「必須アミノ酸」となっています。【次回に続く】
※本稿は、『10年後、後悔しない体のつくり方』より一部を抜粋・編集したものです。本書には、体が若返るメソッドがたくさん掲載されています。