カギとなったのがQRコード決済
この駐車場のキャッシュレス化には、QRコード決済が一役買っている。
日本で生まれたQRコードは中国に上陸し、2010年代の中盤以降、スマホ決済の手段としてたちまち普及した。一方日本で、カードリーダーという端末に依存しないQRコード決済のモデルを、 “タイムマシン経営”しようとしている企業がある。それがELESTYLE(東京・台東区)だ。
モバイル決済プラットフォームを開発運営している同社は、2014年に設立した日本資本の企業だが、2018年に中国籍のCEO盧迪(ルー・ディ)氏を最高経営責任者として迎え入れた。現在、QRコードを活用したキャッシュレス決済のソリューション提供を行っている。目下、さまざまな生活シーンでQRコード決済の導入を進めているが、最近急速に広がっているのが、都内の駐車場や駐輪場でのキャッシュレス化だ。
東京都が行う「スタートアップ実証実験促進事業」が同社のソリューションを採択したことをきっかけに、現在、QRコード決済は東京都内の駐輪場を中心に普及するようになった。既存の精算機システムと同社が提供するモバイル決済プラットフォームを連携させ、大がかりな設備投資なしでキャッシュレス化を実現したのだ。現在、駐輪場でのキャッシュレス利用率は高くなっている。