北朝鮮の核弾頭公開にも
批判を避けた民主党

 金正恩総書記は3月27日、新たに開発した戦術核弾頭「火山31」を公開し、核兵器の生産に弾みをつけるよう指示した。北朝鮮はこれまで核弾頭の小型化に成功したと主張してきたが、小型核弾頭の実物と名称を公開したのは初めてだ。

 また、北朝鮮は各種核兵器を統合運用する国家核兵器総合管理体系「核トリガー」プログラムも初めて公開し、米韓に対する核脅威を引き上げた。これは金正恩総書記の命令を各攻撃部隊に送って核戦争を遂行するようにする指揮統制体系とみられるという。

 北朝鮮は2017年9月3日に6回目の核実験を行って以来、国際社会の圧力を受け、核実験は控えてきた。しかし、今年に入って、戦術核攻撃の手段である超大型放射砲や短距離弾道ミサイルなどを相次ぎ発射しており、7回目の核実験は間近ではないかとの臆測が飛び交っている。

 北朝鮮が核実験を再開するのではないかとの状況を受けても、民主党は北朝鮮を非難する声を上げておらず、自制を促すこともしていない。福島第一原発の処理水排出や福島産水産物に対して大きな声を上げる一方で、現実的な核の脅威である北朝鮮の動きに沈黙することは全く理解できない。北朝鮮の核を問題視することは、民主党自らの批判につながるため、国内政治的に利用できないということだろう。

共同通信の報道を
否定した尹錫悦政権

 共同通信は、尹錫悦大統領が3月17日に東京で日韓議員連盟の次期会長(27日に正式決定)の菅義偉前首相と面会した際、同席した額賀福志郎議連会長から福島第一原発の処理水の海洋放出に理解を求められ、「時間がかかっても韓国国民の理解を求めていく」と答えたと報じている。民主党にしてみればどの国の大統領なのかと言いたいのであろう。

 しかし、尹錫悦大統領はそのような発言はしていなかった。