その結果、例えば施策という観点では、クリスマスイベントとしてクーポン配布や調査リリースの公表などで話題性を高めようとしているという行動の分類ができるほか、誕生日プレゼントでの利用やコーヒーといったキーアイテムに重点を置くLINEギフトの特性がうかがえる。

 なお、こうした競合サービスなどの特性から独自性などを見いだす際に活用可能なフレームワークとして、菅原氏は「『カテゴリー・エントリー・ポイント(CEP)』という概念が近年注目されている」と言う。

 CEPとは、大ざっぱに言えば、ある特定のシーンでカテゴリーやブランドを想起するきっかけとなるポイントのことを指す。上記の例では、LINEギフトを想起させる「誕生日プレゼントを贈る」「ちょっとしたお礼を贈る」「コーヒーをおごる」といったシチュエーションが、ある種のCEPということだ。

 この概念に基づいて整理すれば、その商品が取りたい消費者やシチュエーションなどを把握する、すなわち独自性や差別化ポイントを分析することにつながるだろう。

 もちろん、本格的なCEPの調査やリサーチには、消費者アンケートといった手法を活用しなければならないが、デスクリサーチでもその応用をすることは可能だ。

 リサーチ力が問われる現代だからこそ、身近なツールで手軽にリサーチにトライすることで、その技術を磨きたいところだ。

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