シン富裕層
企業オーナー型

 企業オーナーは昔から定番の富裕層だが、シン富裕層は志向や価値観が従来とは大きく異なる。

 大森氏によれば、「会社を大きくしたい、もっと稼ぎたいとは思わず、今の収入を維持しながら働く時間を短くしたいという志向が強い」という。数千万円くらいの年収を維持しながら、仕事に使う時間を従来の2割くらいまで落としていく。それによって家族との時間を大切にしたり、より自分のモチベーションが湧くビジネスや挑戦に時間を使ったりするという。

 具体的には、複数の会社をオーナーとして展開しつつ、徐々に若い世代に経営を任せて第一線から退いていく。そして、たまに会社に顔を出して助言を与え、各社から報酬を得るような方式を取っているシン富裕層が多いという。

 また、若い起業家に自分のノウハウを引き継いでビジネスを軌道に乗せてあげる「あしながおじさん」的存在のシン富裕層も散見されるそうだ。そして、その起業家たちからアドバイスフィーを受け取っている。

 ただ、お金を巻き上げているわけではない。あるシン富裕層は「実際にビジネスをやる人が受け取る報酬の10分の1以下が適当」と大森氏に語っていたそうだ。

シン富裕層
高年収エリート投資型

 医師や一流企業の会社員など、高年収を誇る人々だ。やはり定番の富裕層だが、従来と異なるのは、近年の世界的な金融緩和バブルの波に乗り、高年収を元手に運用で資産を激増させた点だ。

 シン富裕層の中には、自宅の購入を「投資」と捉え、売買を繰り返すことで資産を急拡大させた人も目立つという。