見ごたえあるアクションシーン
ファンを納得させるキャラの掘り下げ
※以降、ストーリー自体のネタバレはないが、多少の描写はあるので、その点ご留意いただきたい。
アクションシーンは素晴らしかった。ゲームのマリオがそもそもアクションゲームで、これを映画のスクリーンでやるとド迫力となって、マリオが疾走する様子は人間離れした運動神経の持ち主による派手なパルクールのようで、見ていて非常に爽快である。
これまでもイルミネーションの作品にはきちんとアクションシーンが盛り込まれていて、どれも面白かった。中でも、アクション主体のマリオというコンテンツを扱うにあたって作品内のアクションシーンの比重はいやが上にも増し、そしてファンの要求を十二分に満たすクオリティーのものを提供してみせた。イルミネーションは『新作マリオ映画』で新境地を切り開いたかもしれない。
キャラの描かれ方にも、ファンは納得の思いである。活発なピーチ像や憎みきれないクッパ像など、ファンの想定や許容範囲内を外していなかったのはよかった。本作を通してファンを大きく獲得するであろうキャラの掘り下げもあって、ファンとしてはうれしい。
主要キャラが少ないように感じたが、増え過ぎるとキャラの掘り下げが散漫になるので、潔く賢明な判断であると感じられた。ヨッシーがもっと見たかった筆者は、それがかなわず残念だったが、他キャラでおなかいっぱいになる程度にはしっかり満足した。