夫婦の家事シェア・ストレス回避の鉄則(2)
「断捨離(苦手克服)」を上手に諦める

 そもそも、「モノが多くて収納がぎゅうぎゅう」という悩みがある家も多いでしょう。「片づけようとするたび、パートナーから『もう少し服を捨てたら…?』『しまってあるマンガ、もう要らないんじゃないの…?』などと言われる」「いつも大変な思いをしている私が、なぜダメ出しをされないといけないのか…悔しい!」という声を訪問先でよく聞きます。「断捨離」への苦手意識と、パートナーからのダメ出しの2点がストレスの震源地になっています。

 しんどいことからは上手に逃げましょう。捨てること自体を、諦めてみませんか。

使うモノだけ抽出すればOK

 最大の目的は「家事シェアのストレスをなくす」であり、大事なのは「捨てる」より「分ける」こと。家事シェアに必要な「今(ここから3カ月の間)使うモノたち」をはっきりさせるのがミッションです。

・今着ている必要な衣類
・今使っている食器、調理道具
・今使っている掃除道具

 これらを抽出してください。「使うモノ」さえわかれば先述(1)の方法で収納して終わりです。「使わないモノ」のうち、手放す決断が難しいモノは「迷うモノ」としてコンパクトにまとめ、邪魔にならないよう隅によけておけばOKです。

合わない相手とは「完全分業」がいい

「ダメ出しのストレス」から身を守るために、パートナーに見えないところで先に片づけをスタートさせましょう。捨てるのに抵抗がないタイプの人は、「人の片づけが進んでいるのを見て触発される」傾向があります。先に終わったあなたのエリアを見て、ムズムズして勝手に片づけ始めるかもしれません。ひとりで整理するのが不安なら、私たち片づけのプロを呼んでください。きっと良い相談相手になれますよ。

 逆の場合も同じです。片づけが得意な人はパートナーのコンプレックスを突いて、やる気をそいでしまう傾向があります。相手のペースに任せるのが心配なら、私たちにサポートを任せて、自分は見えないところに移動する。余計な介入はしない、これが一番です。