働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、本書の内容を一部公開します。

試験本番の焦りを消すテクニック、すぐできるコツPhoto: Adobe Stock

試験当日に効くすごいテクニック

 試験を有利に進めるためには、ペース配分がとても重要になります。とはいえ、模試をやっても試験時間ギリギリで、焦りながら解くという人も多いでしょう。

 そこでオススメしたいのが「ワンブースト」というテクニックです。

 ワンブーストとは、例えば選択肢1が正解だった場合、その他の2、3、4の選択肢は読まずに飛ばすというテクニックです。

 資格試験の多くは、正解の選択肢番号に偏りが出ないよう配置されているので、選択肢1が正解肢となる問題は必ず一定数存在します。その問題に出くわしたときに、選択肢1以外を読まないことで大幅に時間短縮するのです。

 通常、1つの選択肢を読むのに10秒はかかりますし、思考する時間もとられます。しかし、3つの選択肢をパスすることで30秒以上無駄を省くことができます。

 例えば、「間違っている選択肢はどれ?」という問題で、選択肢1を読んで「間違っている」と確信を持てたら選択肢2~4は読まずに飛ばします。

 飛ばすかどうかの意思決定のポイントは、選択肢1が答えだとする根拠が自分の中で明確にあるかどうかです。根拠が明確ではなく、「何となく」であれば、飛ばさずに次の選択肢を読んだほうがいいでしょう。

 ただ、この話をすると、「心配だから全部読みたい」という方も多くいます。

目的は「見直し時間」の確保

 ご安心ください。パスした選択肢は、試験問題を最後まで解き終えてから確認をします。いわゆる見直しの時間を活用するのです。パスしても戻ってくることは可能なので、躊躇なく飛ばすのがポイントです。

 ワンブーストを使うのは、できるだけ早く問題を最後まで解き終えるためです。本試験独特の「焦り」はあなどれません。

 特に問題文や選択肢を読むのに時間がかかる人は、常に焦りながら問題を解くことになる可能性があります。そうなると、本来落ち着いて読めば解けたはずの問題も焦りのせいで間違えてしまうのです。この「焦り」をなくす唯一の方法は「早く最後まで到達すること」です。

 いったんすべての問題を解き終わると、とりあえず間に合ったという「安堵」が「焦り」を相殺してくれます。そうすれば、そこからの15分程度の見直し時間は冷静な精神状態で進めることができるので、ケアレスミスにも気がつきやすいし、難しい問題も案外解けたりするのです。実際、私もワンブーストを使い、最後の見直しでケアレスミスに気がついて命拾いをしたことが何度もあります。

 ワンブーストを本番で使うにあたっては、必ず模試などで実践してからにすることを強くオススメします。

 なぜなら、ワンブーストの効果を最大限発揮するためには、あなた自身がワンブーストの効果をすでに実感している必要があるからです。

 初めてワンブーストを使うと「本当にこんなに飛ばして大丈夫?」という不安がつきまとうことになります。しかし、一度使って成果が出ている状態であればそういった不安はなくなり、より集中できるようになります。

(本原稿は、棚田健大郎著『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を編集・抜粋したものです)