税金以外のメリット
・ 法人でしか取引できないケースでも対応可能
・ 個人のマイナンバーをやりとりしなくてよくなる
・ 源泉所得税を天引きされている場合、それがなくなる
・ 社会保険に入ることができる(場合によっては国民健康保険、国民年金よりも負担が減る)
・ インボイス登録後、公表される内容が変わる(個人は本名が公表される)
・ 公私の区別がつきやすい
・ 代表取締役社長(合同会社の場合、代表社員)という称号
・ 信頼度が上がる可能性がある
これは、個人事業主(税理士)と法人の両方の立場である私が感じるメリットです。一方、デメリットもあります。
法人化のデメリット
法人化のデメリットを見ていきましょう。
・ 会社をつくるのにお金がかかる(合同会社=10万円ほど、株式会社=20万円ほど)
・ 登記の場所が必要(登記できないマンションもある)
・ 登記の場所を変えるとコストがかかる(3万円または6万円)
・ 法人名義だと、利用料や保険料などが個人よりも高くなる場合もある
・ 社会保険に入る必要あり(メリットにもなりえます)
・ 利益がマイナスでも年間最低7万円の税金がかかる
・ 統計上、税務調査の確率が上がる(個人1%、法人3%)
・ 経理、申告が複雑になる、税理士に依頼する場合、値段が上がることが多い
最後に掲げたデメリットは拙著で解決していただければと思います。消費税のメリットは薄れましたが、依然として法人化はメリットが大きいといえます。ぜひ検討してみましょう。
(本原稿は井ノ上陽一著『【インボイス対応版】ひとり社長の経理の基本』から一部抜粋したものです)