早稲田大学と慶應義塾大学の両大学に合格した場合の進学率は大学全体で見ると、慶應大に軍配が上がり続けている。しかし、文学部同士といった同系統学部での進学率となると、事情は変わる。早稲田大が大逆転劇を巻き起こしているのだ。勢いづく早稲田大は、大学全体での劣勢を覆す次の一手を繰り出した。特集『大学 地殻変動』(全21回)の#10では、早慶ダブル(W)合格者の進学率を徹底解剖した。(ルートマップマガジン社取締役・編集長 西田浩史、ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
東進「早慶W合格」勝敗表
“連敗”早稲田が追い上げ
私立大学の両雄である早稲田大学と慶應義塾大学。この両方に合格した場合にどちらに進学するか。早慶ダブル(W)合格者の進学率について、大手予備校である東進ハイスクールの分析によると2018年度入試以降の6年間、全ての年で慶應大が早稲田大を上回っている。慶應の連勝である。
東進ハイスクールなどを運営するナガセの市村秀二常務執行役員がここで注目するのが「18年度は慶應7に対して早稲田3だったのが、今は慶應6:早稲田4にまで早稲田が迫ってきた」という点。連敗の早稲田大がじりじり追い上げていることが勝敗表から見て取れる(下表参照)。
早稲田大が追い上げているのは、文学部同士といった同系統学部における早慶W合格勝負で大逆転を果たしているからだ。
では同系統学部同士の勝負で大逆転してなお、全体で勝てないのはなぜか。全体で勝てるような次の一手は何か。
次ページでは、早慶における同系統学部W合格進学率、早稲田大がなお全体で慶應大に勝てない理由と次の一手に迫る。次の一手は、早稲田大に憧れる受験生に絶望を与えるものだ。