5年4800円で利用できる「クラウド墓」
限定公開の追悼ページで“墓参り”
それは「クラウ墓」の発表会だった。インターネット上に故人やペットを追悼する限定公開ページを作り、そのQRコードのシールを遺影や自宅にあるモニュメントに貼ることで、いつでもアクセスできる環境を作る。墓に見立てた追悼ページの場を提供するサービスだ。
編集用2枚、閲覧用6枚のQRコードシールセットなら、5年使用権が4800円、10年使用権が6800円。他に、少量の遺骨などが収められるカプセルを収納する小型モニュメント「自宅墓」とのセットモデルも提供している。
編集用QRコードから、追悼したい人やペットのページを作成する。閲覧用のシールを任意の場所に貼れば、スマホをかざしていつでもクラウド上のお墓で“墓参り”できるというわけだ。家族や友人に閲覧用シールを配れば、追悼の機会を共有することもできる。
説明会で基本コンセプトは理解できたが、同時に詰めの甘さも感じた。10年使用権のある商品を販売するにもかかわらず、代表取締役は「それまでに会社が止まってしまえば当然サービスも止まってしまいます」と、“お墓”を管理する事業者としては不安なことを悪びれずに話し、別の役員はお墓を移設する「改葬」(かいそう)を「かいしゅう」と読み間違えたりしていた。どうも供養事業についてあまり深く調べないまま、サービスをスタートさせた感じがする。
ただ、彼らが提供するのは本格的なお墓ではない。もっとカジュアルなサービスだ。数年先のことはひとまず置き、手軽に故人がしのべればいい。半年間使えるデモ機を提供してくれるとのことだったので、真剣にカジュアル墓参りを試してみることにした。