作戦その1:
フリーソフトを使い、遺品調査の段階で削除される仕掛けを作る
この作戦はWindows限定になる。フリーソフトを使って、万が一の際には対象のファイルやフォルダーだけが抹消されるような仕掛けを準備しておくというものだ。
主要なソフトとしては、ゆき氏が2003年にリリースした「死後の世界」や、MONETが2019年から提供している「まもーれe(マモーレ)」が挙げられる。
「死後の世界」は、あらかじめ登録したパソコン内のファイルやフォルダーを削除する時限設定ができる。削除する年月日を指定したり、最終起動日からの日数が過ぎたら削除したりといった仕掛けが選べ、削除時に表示するテキストも仕込んでおける。
たとえば、毎月2日を削除日に指定しておき、1日が来るたびに1カ月先に更新するといった使い方や、自分が30日間ログインしなければ削除するといった設定ができる。特定のファイルやフォルダーを永久保存するのではなく、時限保存するような感覚だ。
「まもーれe」は万が一のときに家族や友人にパソコンを開いてログインしてもらい、託したいファイルやフォルダーを割り振っておけるソフトだ。託したい相手ごとにログインパスワードが設定できるので、パートナーがログインした場合は資産関連のファイルや思い出の写真などが開示され、友人がログインした場合は趣味のフォルダーだけがアクセス可能になるなど、細かな設定ができる。
そして、「秘密データ」フォルダーに保存したファイルは、自分以外の誰かがログインした瞬間にこっそり削除される仕組みだ。託すべきものを託し、隠したいものは隠す、が同時にできる。
削除対象を細かく設定できるので、Windowsパソコン内に隠したいものがあるならとても有効な方法といえる。Macやスマホの場合は作戦の(2)(3)を検討したい。