日本車各社は中国進出にあたり、現地企業との合弁生産を中国政府から義務付けられているが、ここへきて日系中国合弁企業での人員削減が表面化しており、トヨタも中国・広州汽車集団との合弁「広汽トヨタ」で約1000人の人員削減を実施した。
三菱自動車工業も中国合弁「広汽三菱」が工場の操業停止に続き人員整理に踏み切ったほか、マツダも中国で大幅に減速しており、計画見直しを迫られている。
特に中国事業のウエートが高い日産自動車、ホンダは中国事業のテコ入れに必死だ。
日産は販売の減速から中国の年度販売計画を下方修正したが、「24年には中国メーカーがもっと力をつけてくる。EVのコスト競争力と製品ラインアップをそろえられるかが、中国事業を存続できる前提条件となる」(内田誠社長)と背水の陣の構えだ。
ホンダも中国が懸念材料となっている。ホンダは中国と米国が二大柱となる主力市場で、ここ2年は中国販売が米国販売を上回ってきていたのだが、23年1~3月期には米中が逆転してしまった。ホンダは、中国市場で投入している高級ブランド「アキュラ」を22年末で撤退し、30年以降中国で電動車戦略に切り替える方針だ。今後さらなるテコ入れを図り、巻き返しを狙う。
もっとも、中国が変調する中でも、大きな影響を受けない日本車メーカーがある。スバルとスズキだ。