このようなケースの場合はまず、「人間関係をリセットしてしまう」という自己否定的な考えをいったんストップすること。
リセットしてしまうと言うと、自分でコントロールできないことのように感じてしまいますから、「こういう理由で人間関係をリセットした」というふうに捉え直すことから始めましょう。
なぜこのようなことをお伝えしたかというと、人は自分でコントロールできないことに不安を感じやすいからです。
例えば、自分で操縦していた自動車がコントロール不能になって勝手に動き出したとしたら……想像するだけで怖いですよね。
だからこそまずは、「人間関係をリセットするかどうか、決める権利は自分にある」ということを強く信じてください。
なぜだか分からないけれど勝手に人間関係をリセットしてしまうのではなくて、自分の心を守るために人間関係をリセットすることがあるということを受け入れていきましょう。
リセットするしかなかった自分に
こう声をかけよう
とはいえ不安や恐怖の影響はなかなか根深いですから、なぜか急に不安な気持ちになって人間関係をリセットしたくなることが、これからもあるかもしれません。
実際にリセットする前であれば、「今感じている不安は、過去のものだよ」「今目の前にいる人は、過去のあの人とは違うかもしれないよ」 と、自分自身に教えてあげてください。
実際にリセットして後悔した時には、「それだけ不安だったんだね」「後悔するのにやっちゃうほど、過去に傷ついたんだね」 と、自分自身に寄り添ってあげてください。
人間関係をリセットするのをやめたいのならば、どんな選択をしても自分自身を否定しないことが大切です。
そうすることで、「あの人はどう思うだろうか」という他人軸で行動するのではなく、「自分はどうしたいのか」という自分軸で行動できるようになっていきますよ。
精神科クリニックに併設のカウンセリングルームで10年以上、心理カウンセラーとして勤務した後、独立。現在は人間関係、親子問題、機能不全家族専門カウンセラーとしてメールでのカウンセリングを中心に活動。メールでのカウンセリング、対面カウンセリングともにいつも予約がいっぱいで、現在も数か月待ちの超人気カウンセラー。
著書に『あなたはもう、自分のために生きていい』(ダイヤモンド社)などがある。X(旧Twitter)@Poche77085714
※本稿は、Poche著『悪いのは、あなたじゃない』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。