低価格カテゴリーの存在意義は客寄せ
PBは中核カテゴリーでもうける必要がある
大手スーパーには「ロスリーダー」という考え方があります。その商品が収益を上げなくてもいいから集客に役立てばいいという商品群のことです。
以前はトイレットペーパーやティッシュペーパーがこの役割で、赤字覚悟で店頭にドーンと積み上げておくとそれを目当てに客が集まってくるものでした。ところが紙類の度重なる値上げで、今や紙製品の価格はそれほど魅力的には消費者の目には映りません。
そこで今後、この役割を取って代わるのが「ベストプライス」的なPB商品になるだろういというのが私の予測です。メーカー品であるカップヌードルが168円で並んでいる中に、PBのカップ麺が118円で並ぶのを見て、育ち盛りの子がいる家庭などがとりあえず大量に買って帰る。スナック菓子やおつまみなども108円均一のものを選ぶ。それが欲しいから買うのではなく、限られた予算の中で部分的に節約するために購入されるのが、この四つ目のカテゴリーになるだろうというのが私の見立てです。
「でも、味も品質もほぼカップヌードルやエバラの焼肉のたれなら、最初から一つ目のカテゴリーにすればいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、それは違うのです。というのも、一つ目の中核カテゴリーで小売り・流通はもうける必要があるからです。つまり価格が安いことで客寄せになるのが四つ目のカテゴリーの存在意義であり、その存在は常に必要なのですが、それはもうけが出ないので必要以上に拡大させる意味はないのです。