プレミアムPBの未来とは?
ライフとセブンの大きな違い
次に、二つ目のプレミアムカテゴリーの未来を考えてみたいと思います。通常のPB商品を超えたプレミアムグレードの商品です。ここは流通各社で取り組みが異なるのですが、最終的にセブン&アイの(かつての)やり方を各社がまねて、それが主流になるのではないかと考えています。
先に、セブンとは違う取り組みをしているプレミアムPB商品の例を挙げます。それは、スーパーのライフで、通常のPB商品である「スマイルライフ」の上に、素材や製法にこだわった「ライフプレミアム」というプレミアムPBラインを置いています。
私はライフで買い物をよくするので、このライフプレミアム商品も購入しますが、各商品のこだわりには目を見張ります。例えば、牛乳は日本最北端のサロベツから仕入れています。寒い土地で飼われている乳牛は脂肪分が多いそうで、そのせいかこの牛乳は乳脂肪分が非常に高い商品になっています。
また、めんつゆにはアゴだしや本枯かつお節を使ったり、ドレッシングには国産玉ねぎや国産ニンジンを使ったり、ジャムでは産地や品種を限定したりと、どの商品にもプレミアムなこだわり要素が含まれています。
そんなライフのプレミアムPB商品ですが、実はセブンプレミアムと大きな違いがあります。それは、品数がとても多いことです。
同じ二つ目のカテゴリーであるセブンプレミアムゴールドは、「一流の料理人や専門家と共に、とっておきの味とみんなに教えたくなるおいしさを食卓にお届けします」がコンセプトで、最大の特徴は品数が少ないこと。その代わり、セブンPB商品の中でも飛びぬけて美味しいものだけをセレクトして認定しています。
わが家で最初にこの点を発見したのは両親で、後期高齢者になってからはコンビニメニューが増えていたのですが、ある日、家からちょっと遠いコンビニでビーフシチューを買ったらそれがとてもおいしかったと驚いていました。それがセブンの「金のビーフシチュー」で、以降、両親の食卓ではぜいたくをしたい日の特別な料理に認定されました。
セブンではこの金色のラベルを貼ることができるPB商品を厳選していたようで、以前はセブンプレミアムゴールドには緑茶はあってもウーロン茶はなく、ボロネーゼはあってもカルボナーラはないといった具合に、勝ち上がったプレミアム商品だけがゴールドを名乗っていました。