仕事においても「できるだけ早く作成してほしい」「この案件はとても重要なので、進捗報告はマメにしてほしい」というような指示をよく耳にしますが、「できるだけ早く」とはいつなのでしょうか?
上司は「本日中」と思っているかもしれませんが、指示を受けた部下は「3日以内くらいかな」「今週中かな」と思っているかもしれません。
「進捗報告はマメに」の「マメ」とはどのくらいの頻度でしょうか?
3日に1回? 1日3回?
このようなあいまいな指示を出しておきながら「作成が遅い」「報告が遅い」と上司がイライラをぶつけるのはナンセンスです。部下からしたら「不意打ち」を食らったような理不尽さを感じるでしょう。
正しく伝えるためには、「あいまい言葉」を使わない、そして共通言語である「数字」を意識して伝えるようにしましょう。
例えば
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この案件はとても重要だから、一日に一回は進捗報告をしてください
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こちらのお客様は二週間に一度は必ずフォローの電話かメールをしてください
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ポイント(4):「5W3Hを明確にする」
以前、私が部下に「Aさん(部下の名前)、顧客リスト、きれいにまとめておいてくれる? 金曜日の会議で使うから」と何気なく依頼したことがありました。
部下も「はい、わかりました」と答え、若干不安そうな表情を見せたのですが、心の中で「まー、これも経験だから」と思ってそのまま任せたのです。
そして、会議の前日、
私:「Aさん、顧客リストどうなった?」
部下:「すみません、まだできていません」
私:「え? 明日までだぞ、大丈夫なのか?」
部下:「なかなかイメージが湧かなくて……」
私:「イメージが湧かないなら何で聞きにこないんだ!?」
部下:「すみません……」
途中まで作成したという資料を見せてもらうと、なんと何ページにもわたって1件1件の顧客の詳細が書かれており、一見して大変な時間とエネルギーをかけて作成しているのがわかりました(こんな詳細まで書かなくてもよかったのに……)。
Aさんが作った資料を見て、私は自分の間違った指示の出し方を猛省しました。
そのまじめな部下はなんとか期待に応えようと何日間も徹夜をしており、気力も体力も消耗しきっていました。
上司の指示があいまいだったり、伝えるべき情報に抜け漏れがあったりした場合、その指示を受けた部下にどれほど悪影響があるのかを痛感しました。
情報の抜け漏れを防ぐためのポイントは「5W3H」のフレームワークを徹底して活用することです。
具体的には、任せる前に上司自身がその仕事の「5W3H」を意識しながら整理します。こうすることで、部下に指示する仕事の情報の抜け漏れを防ぎ、且つ部下にとっても具体的なゴールイメージとそのためのアクションが鮮明になります。
「5W3H」は具体的には以下のことです。
『ミスやトラブルが激減する リーダーの報・連・相』(明日香出版社)相田吉雄 著
Why → 目的(なぜ、何のために)
What → 内容(何を)
When → 期限(いつ、いつまでに)
Where → 範囲(どこで、どの範囲)
Who → 対象(誰が、誰に)
How → 手段(どのように)
How much → 金額(いくら)
How many → 数量(どれぐらい)
例えば、先ほど私が部下にこの「5W3H」のフレームワークを意識して伝えていたら以下のようになります。
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○○さん、今週の金曜日(When)に、本社で(Where)、営業チームメンバー全員で(Who)今期の売上予想を立てるために(Why)、担当別の顧客リストを(What)エクセルにまとめておいて(How)もらいたいんだ。そして、まとめた表を人数分の10部(How many)プリントアウトしておいてくれるかな
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このような指示であれば、部下も「本来やらなくてもいい業務」をやらなくて済み、もっと効率よくできたはずです。さらに、部下の気力や体力をムダに消耗させずに他の業務で発揮させることもできたはずです。
この「5W3H」というフレームワークは仕事の生産性を上げる上で、とても大事な考えなので、上司と部下間の「共通言語」にすることをお勧めします。







