SNSで大人気のPoche(ポッシュ)さんは、人間関係、親子問題、アダルトチルドレン(AC)専門のカウンセラーです。そんなPocheさんのもとには日々、さまざまな人たちからの切実な悩める声が寄せられています。
ここではそんなPocheさんの最新刊『悪いのは、あなたじゃない』から再構成してお届けします。
本書では実際のカウンセリング事例の数々をもとに、実は意外なところに存在していた悩みの原因をつきとめ、解決へと導いていくプロセスを紹介しています。
他の人にはなかなか理解してもらえない、相談しにくい悩みを抱えて、すべては自分のせい、と思い込んできた人に、今より少しラクに生きられるようになるヒントを紹介します。
自虐的な発言を
なぜか繰り返してしまう…
自分の失敗や容姿の嫌いなところ、ダメだと感じている部分について、自虐的に話してしまうことがよくありますか?
それらをネタにして笑いを取ろうとすることが、よくありますか?
自虐的な発言を絶対にしてはいけない、ということではありません。
芸能人が、番組内で過去の失敗をネタにしたり、自虐的な発言で場をなごませたり笑わせたりする場面を見たことがある、という人もいるでしょう。
このように、自分のメリットのために意図的に自虐ネタを使っているのであれば、特に問題はありません。
ですが、無意識に自虐的な発言を繰り返していたり、自虐的な発言がクセになっている場合には注意が必要です。
自虐的な発言が招く
2つのリスク
例えば、自虐的な発言があまりに多くなってしまうと、よい人間関係が築きにくくなるというデメリットがあります。
カウンセラーとして話を聞いていると、「相手の自虐ネタにどう返していいのかが分からない、どう反応していいのかが分からない」と訴える人が、とても多いのです。
自虐ネタを繰り返すと、「話しにくい人」「扱いにくい人」といった、不本意なレッテルを貼られてしまうことになりかねません。
さらには、周囲に「いじってもいい人」「からかってもいい人」という印象を植え付けてしまうことで、心ない言葉を浴びせられるリスクが高まります。
例えば、自虐ネタとして言う「私、太ってるから」と、相手から言われる「あなたは太ってるから」では、ダメージの大きさが違います。
自分ではネタにできることだとしても、人からハッキリ言われると深く傷ついてしまうものです。
実際のところ、周囲の人たちは「本人がネタにしているから、言ってもいいと思って言っただけ」というケースがほとんどなのですが、言われた本人は深く傷つきます。
「やっぱり、周囲の人もそんなふうに思っていたのか……」と落ち込んでしまうことも珍しくありません。
1つ、相談事例をご紹介します。