「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」どれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、山口氏による話題の最新刊「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の中から、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。

「薄っぺらに見える人」と「深く考えているように見える人」は何が違うのか?『「うまく言葉にできない」がなくなる言語化大全』より イラスト:さかたともみ

「豊かな感情や深い考えを持っているように見える人」とは

冒頭の2つのイラストを見てください。
左の人(Aさん)は「喜怒哀楽」をすべて、

「(喜)ヤバ~イ」
「(怒)ヤバイっ」
「(哀)ヤバイ…」
「(楽)ヤバイ!」

と「ヤバイ」の一言で表現しています。

一方、右の人(Bさん)は、

「(喜)喜びに堪えません!」
「(怒)憤慨しています!」
「(哀)切ないです」
「(楽)エキサイティング!」

とその時の感情をぴったりくる言葉で表現しています。

 どちらが「豊かな感情を持っている人」あるいは「深く考えている人」に見えるでしょうか?
答えは明らかでしょう。いくらAさんのほうが、内面に豊かな感情を持っていたり、深く考えていたりしたとしても、使う言葉が「ヤバイ」だけだと、周りの人からは何も考えてないように見えます。
 つまり薄っぺらに見えてしまう人は「語彙力」がないことが多いのです。語彙力をアップするにはどうすればよいのでしょうか。