ECアプリ「ノーコード」で作成、BASEとスタートアップが新サービス
Appifyを使用し作成したアプリの例 提供:D Technologies

コーディングをなくす「ノーコード」型サービスの波

 Appifyはいわゆる「ノーコード」型のプロダクトだ。ノーコードとはその名の通り、今までコーディングスキルがなけれできなかったものを「コーディングなし」で実現するプロダクトのこと。たとえばWordPressやWixのようなサービスによって簡単なウェブサイトであれば誰でも作れるようになり、BASEやShopifyは同じようにネットショップを身近なものにした。

 ノーコードに分類されるプロダクトは以前から存在していたが、最近あらためて特定の分野においてコーディングを不要にするスタートアップが注目を集めるようになっている。2020年に入ってからもスプレッドシートを使ってコードを書かずにアプリを作れるAppSheetがGoogleに買収され、注目を集めた。

 D Technologiesでは当初からノーコードに注目していたわけではなく、2018年6月に会社を設立してから1年半ほどは個人向けのアプリをいくつも立ち上げては潰しながら方向性を模索してきた。そんな中で技術トレンドの変化に直面し、モバイルアプリ×ノーコードの可能性を感じてAppifyの開発を始めたという。

「ここ1年でモバイルアプリ開発においてバラダイムシフトが起きており、開発環境が大きく変わりつつあります。Appifyを立ち上げるきっかけになったのも、昨年『Appleが発表したSwiftUIと、Facebookが開発したGraphQLを組み合わせればモバイルアプリの開発が一気に効率化できる』ということを発見したことから。自然な流れとしてウェブサイトやネットショップの次は、アプリを誰でも作れるようになるんじゃないかと考えこの領域に関心を持ちました」(福田氏)

 D Technologiesは学生時代からメルカリやDMM.comで経験を積んできた福田氏を中心に3人のエンジニアで構成される技術者チームだ。個人向けのアプリを作っていた頃から「どうすれば少しでも効率的に、スピーディーに開発できるか」を常に考えながらソフトウェア開発の基盤づくりをしてきた。そんな自分たちの経験とアプリを取り巻く技術革新が重なって、Appifyのアイデアに行き着いたわけだ。

 当初はアルファ版という形でさまざまなアプリ開発に対応しようとしていたが、次第にこの領域で事業を拡大していく上では「特定のユースケースに絞ること」が重要だと考えるように。それが今回BASEのショップをアプリ化することにフォーカスした理由だ。