「最近でもノーコードサービスはどんどん出ていますが、Wixだったら自分のウェブサイトが簡単に作れます、BASEやShopifyだったらネットショップを簡単に立ち上げられますといったようにユースケースがわかりやすいものだけが使われ続けていると感じました。いろんなアプリを作れますよだとインパクトは大きく感じるかもしれないけれど、使う側がどんなアプリを作りたいかを明確に思い描けていなければ使ってもらえないのではないかと」

「そこでモバイルアプリ×ノーコードでユースケースを検討した時、既存のWebベースのノーコードサービスが浸透している領域をアプリ化するのが1番良いのではと考えました。結果として候補になったのがウェブサイトとネットショップの2つ。個人のウェブサイトをアプリ化するニーズは現時点で強くないと感じ、ネットショップに絞ることを決めたんです」(福田氏)

プラットフォーム化を進めるBASE

 日本発のECサイト作成サービスはいくつか存在するが、もともと福田氏自身がBASE代表取締役CEOの鶴岡裕太氏らと親交があったこともありBASEと連携するに至ったとのこと。BASE側としてはAPIを活用して複数のサービス事業者と連携を進めていたことに加え、ショップをアプリ化する仕組みを取り入れることがショップオーナーの要望に応えることにも繋がると考えAppifyと手を組むことを決めたという。

「ショップオーナーさんは独自のブランドにこだわりを持っているため、他のショップの商品と一律に並ぶのを避けたいという価値観の方も一定数います。実際BASEでもショップをフォローする機能を持ったショッピングアプリ『BASE』を提供していますが、いわゆるショッピングモールのような形で1つのアプリとして用意しているのでこの機能自体をオフにしている方もいるんですね。自分だけのホームページを持つような感覚で、自分の商品だけが並ぶ独自アプリを作りたいというニーズは大きいと考えています」

「(マーケティングの観点でも)今まではSNSでフォローしてもらうぐらいでしかお客さんと継続的に関係値を作っていく手段がありませんでした。その一歩先の仕組みとしてアプリをインストールしてもらった人にクーポンや新着情報を積極的に届けていけるようになると、ショップオーナーさんにとってはロイヤルカスタマーを増やしていく有効な手段になると思います。BASEにとっても今回のサービス連携によってショップオーナーさんから選んでもらえる理由が1つ増えたと思っています」(BASE執行役員の神宮司誠仁氏)