この領域では、独自の与信審査方法を取り入れた法人クレジットカードサービスを展開する「Brex」が海外で急速に事業を拡大し、ローンチからわずか1年半ほどでユニコーン企業の仲間入りをしている。要はグローバルで同じようなニーズがあるというわけだ。
実際にpaildのベータ版を活用する約150社のうち、だいたい半数はスタートアップ企業なのだそう。与信の問題を解決する手段としてのニーズも間違いなく存在するという。
ただそれ以上に柳氏が手応えを感じているのが「カードを何枚でも簡単に発行できる」ことによってもたらされる、現場の業務効率化や利便性の向上だ。
「カードを簡単に複数枚発行できること」で生まれた価値
コロナ禍においては多くの企業がリモートワークを導入した。それによって「各自が離れた場所で働きながら、どのようにしてカード決済をするのか」という新たな問題が生まれ始めている。
「今までは全員がオフィスに出社していたので、ある社員が『このツールを購入したい』と言えば、管理部のメンバーがカードを持っていってその場で番号を打ち込んだていたような企業も少なくなりません。これがリモートワークだとできない。カード番号を全員にシェアするのはあまりやりたくない一方で、立替経費精算にすると一時的に社員の負担となってしまう。そこに頭を悩ませている担当者の方も増えてきています」(柳氏)