料金は、健康診断データの管理、ストレスチェックの実施と管理、残業時間の取り込みによる過重労働対策、産業医・保健師面談の管理と、労働基準監督署への報告データ書き出し機能を含む「クラウド」プランで月額200円(1従業員当たり、最低利用人数500人)。より小規模な企業向けに従業員からの相談受付やリモート産業保健師機能などを追加した「ベーシック」プランでは月額300円(1従業員当たり、最低利用人数50人)。健康診断予約機能を加えた「プラス」プランは月額400円(1従業員当たり、最低利用人数50人)。各プランとも、初期費用(クラウドで月額費用の3カ月分、その他のプランは従業員1人につき1000円)とオプション料金が加わる。

Carely料金プラン
Carely料金プラン

健康管理システムでジャイアントキリングを狙う

企業の働き方改革、健康経営に対する課題感を踏まえ、企業を支援する健康経営ソリューションも増えている。山田氏に競合環境について聞くと、「この事業領域は複雑で、産業医紹介や健康経営サポートなどさまざまなサービスが出ているのは確かですが、我々は開発力がコアだと思っています」との答えが返ってきた。

iCAREでは110名の従業員のうち、4分の1がエンジニアやデザイナーなどの開発メンバーとのこと。「クラウドサービスはアップデートのスピードやUI/UXがカギとなるので、改善したら迅速に提供できるように心掛けています」と山田氏は話す。

また、Carelyの最大の競合は「大手IT企業」ともいい、山田氏は「健康管理システムでジャイアントキリングを狙う」と抱負を語る。

「もともとNECや富士通、NTTデータといった大手IT企業やSIerは、長い間企業のIT化を委託されて開発を進めてきました。そこには企業ごとのカスタマイズという要素が入り、どうしても開発費用が高額化する傾向にある。一方、SaaS、クラウドサービスはコストパフォーマンスがよく、使いやすく改善を重ねることもできます」(山田氏)

Carelyのユーザーは人事労務担当者や産業医、看護師などさまざまな属性の人たちだ。山田氏は「70代の産業医でもマニュアルなしで使えている」という。

「オンプレミス(自社運用)のシステムでは分厚いマニュアルが用意されることがほとんどですが、それではみんなマニュアルを読みません。その結果、システムも使われなくなります。Carelyではシステムの使いやすさに加えて、カスタマーサクセスチームの手厚いフォローもあります。その使いやすさが評価されて、既存システムからのリプレイスが多くなっており、問い合わせからの受注率も40%にまで上がっています」(山田氏)