総予測2024#65Photo by Masato Kato

収益性向上が喫緊の課題である三菱電機は、低収益事業の撤退・売却を進める。その規模はおよそ3500億円におよぶ。特集『総予測2024』の本稿では、三菱電機の漆間啓社長が“事業仕分け”の真意を明かした。商機がありながらも低収益な自動車事業はどう仕分けるのか。(聞き手/ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

戦争が長引き欧州経済の停滞が続けば
空調需要の伸びが鈍化する

――原材料の価格高騰が続いていますが、コストアップは製品価格に反映できていますか。

 分野によって濃淡はありますが、素材高騰分の値上げはおおむね実行できています。値上げについては、客先の理解を得られる土壌になってきました。

――米中対立やウクライナ情勢などの地政学リスクについて、2024年はどのような影響が懸念されますか。

 ロシアのビジネスは停止していますし、イスラエルも取引は多くありません。中国も含め、直接的な影響は少ないとみています。

 ただし、ロシア・ウクライナ戦争が長引いて欧州経済の停滞が続けば、空調需要の伸びが鈍化するといった間接的な影響はあり得るので注視しています。

次ページでは、「3500億円規模の撤退・売却」を断行する“事業仕分け”の真意を漆間社長が明かした。商機がありながらも低収益な自動車事業の仕分けについて、踏み込んで言及している。