作業効率化の期待が大きい
ブラケットハンドリング車
続いて2021年5月の記事(https://diamond.jp/articles/-/269803)でも取り上げた「ブラケットハンドリング車」のその後だ。
ブラケットとは電車に電気を送る架線を支えるために電柱に設置された金具のこと。一基当たり100キロ近い重量があるため、年間2000基に達する交換作業には多くの人手が必要だった。
ブラケットハンドリング車はトラックに設置したロボットアームと3Dカメラを使い、自動的に障害物を避けながらブラケットを設置箇所まで持ち上げ、最後の固定作業のみを人間が担当するもので、これまで5人必要だった作業が3人で可能になる。
2021年度に1台が導入されたが、まだ本格的な展開には至っていないようで、実際に現場で使いながら課題出しをしているそう。ただ作業効率化の期待はかなり大きく、ブラッシュアップを図りながら本格導入につなげていきたいとしている。
JR西日本は、少子化による採用難に加え、夜間作業が多い保守作業員の確保について「どんな業界より人が減る速度が速い」という危機感を抱いており、作業の自動化、機械化を積極的に進めている。同社はブラケットハンドリング車に先立ち、ロボットアームで電柱をつかみ、建て替え作業を支援する電柱ハンドリング車を2017年に導入しているが、こちらは社外への販売も進んでいるそうで、鉄道業界でも注目の存在になっている。