カルテルをなくすには 政策株式や本業支援の 抜本的な解決が必須

大手損保4社のカルテル行為に対し
金融庁が業務改善命令を発出

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Q 昨年12月26日、金融庁が東京海上日動火災保険と損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の大手損保4社に対し、企業向け保険の価格調整問題、いわゆるカルテル問題で業務改善命令を出しましたね。

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A 複数の損保に同時に行政処分を出したのは、2007年3月以来、16年ぶりのことです。

一連のカルテル問題で大手損害保険会社4社に行政処分を下した金融庁一連のカルテル問題で大手損害保険会社4社に行政処分を下した金融庁 Photo by Akio Fujita
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Q 過去5~7年の契約を調査すると、少なくとも1社の損保において不適切な行為がある保険契約者が576社あった、というのには驚きました。

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A 金融庁の調査では(以下、同)、23年12月26日時点で1社から報告があったのが458社、2社以上から報告があったのが118社です。金融庁は「1社からの報告が多かった」と述べており、「多くが不適切な契約と認識していない可能性がある」と見ています。そのため、「追加調査が必要だ」と金融庁は言っています。

 損保業界は延べ100~200社と見ていましたが、想定以上に件数が多かったので驚きの声が上がりましたね。

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Q それだけ広くまん延していたのですね。損保4社による濃淡はあったのですか?

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A 金融庁は「4社に大した違いはなく、全社的に慣行として行われていた。また、カルテルを行った理由も大差はない」と言っていますね。

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Q どのような理由が多かったのでしょうか。

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A 下グラフの通り、「幹事社としての立場やシェアの維持」が50%で、「他社からの打診」が39%、「より有利な条件での契約」が18%などとなっています。

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Q 特定の部署が行っていたのですか。

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A 特定の部署や担当者が行っていたわけではなく、営業部門を中心に広く行われていたようです。

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Q なぜ、このようなことが起こったのでしょうか。損保業界では、1990年代に日本機械保険連盟において、機械保険の引き受けに関する保険料率でカルテルが行われたことで、公正取引委員会から勧告を受けていますよね。