頼まれてもいないのに静かに
エビデンスを集める青タイプ

 一方、青タイプは興味深い性格である。

 あなたも青タイプの人間に会ったことがあるはずだ。気付きにくいかもしれないが、青タイプは自分の周りで起こっていることを恐ろしいぐらい観察している。

 緑タイプが周りに合わせているあいだ、青タイプは何事にもしっかりとした姿勢でいる。頭の中で物事を区分、評価、判断しているのだ。

 知り合いに、家の中がきちんと整理整頓されている人がいるだろうか?もしいれば、その人こそが青タイプの人間だ。自分のジャケットをかけるフックがどこにあるかわかるようにと、フックに子どもの名前タグがついていたり、バランスのとれた食事を食べられるようにと、6週間ごとの献立予定が冷蔵庫に貼ってあったりするのが、青タイプのいる家だ。

 青タイプの工具箱を見ると、きちんとあるべき場所に工具が片付けてあり、全部の工具がそろっているはずだ。

 いいことである。青タイプは、物を出したらきちんともとの場所に戻すことができる性格だ。

 青タイプは、悲観主義者、いや失礼、現実主義者である。何か間違ったことを見つけると、その先にあるリスクをも考える。うまく物事がいっているのを止めてしまう憂鬱質な性格でもある。

 誰にでも青タイプの友達がいるはずだ。考えてもみてほしい。レストランに友人といると仮定しよう。話の話題は猫のことやサッカーだったり、ロケットの話だったりする。そこで誰かが、何かしらの発言をふとしたとしよう。

 たとえば、赤タイプが「クリステル・フォーグレサング(訳注・宇宙飛行士)が宇宙に行ったのは3回だ」とか、黄タイプがうれしそうに、「彼は幼少時代を、ヴェクショー市で過ごしていましたよ。ご近所さんでしたから」とか、そんな話をしてくるかもしれない。

 青タイプはというと、そこでまず声を正し、こう発言するに違いない。

「クリステルが宇宙に行ったのは2回だけ。2回目の飛行時には、800キロもするアンモニアタンクを動かしたんだけど、無重力の状態でそこまで重いものを動かしたのは彼が初めてだ。あと、クリステルはヴェクショー市出身じゃなくて、スモーランド地方どころか(訳注・ヴェクショー市はスモーランド地方に位置する)、ストックホルム郊外のナッカ出身なはず」