河野太郎大臣はⅩで意見募集するも
問題解決のアクションを取らなかった

 災害時、人命救助や被災者の安全確保は一刻を争う。高解像度カメラ、赤外線センサー、高度な空撮機能を搭載したドローンは、海外では、捜索・救助活動に欠かせないものとなっている。

 ドローンは、人間の救助隊がアクセスすることが困難な広大な地域を迅速にカバーし、意思決定を助けるリアルタイムの状況認識を提供することができる。また、遠隔地やアクセスしにくい場所にいる生存者を迅速に特定できるため、救助チームはより効果的にリソースを配分できる。低照度や視界不良の状況下で体温を検出する赤外線画像技術を採用することで、行方不明者の位置を特定するのにも役立つ。

 さらに、スピーカーや通信装置を搭載したドローンは、生存者との通信チャネルを確立し、救助が到着するまで安心とガイダンスを提供することができるのだ。

 ドローンをきちんと活用していれば、救助が必要な人をもっと早く、夜であっても発見できたはずであり、救えた命、失わなくてもよかった損害はあったと思うと、怒りが込み上げてくる。

「2022年6月18日、河野太郎デジタル大臣が『ドローンの登録に関して、さまざまな問題提起が寄せられています。ドローンの登録に関するご意見を、お寄せください。』(https://twitter.com/konotarogomame/status/1538007206452334594)とX上で意見を募集しました。この河野大臣の投稿には、規制の緩和と(インフラに干渉しない範囲での)電波の利用拡大を求める切実な意見が殺到しました。

 しかし、河野太郎デジタル大臣はこの問題を解決するための具体的な行動を取らなかった。そればかりか、政府は、ドローンの飛行について飛行形態をレベル1から4まで定義し、国家ライセンス制度の導入をしました。これにより発着に補助員が必要になったり、広い敷地が必要になるなど、規制が強化される事態になってしまいました。

 これらの規制は、日本で、ドローンが災害時などに果たすべき役割を十分に発揮できない元凶です。今回の能登半島地震においても無意味に厳しい規制がなければもっとドローンは活躍でき、救えた命もあったかもしれない。河野太郎デジタル大臣があの時に国民の声に真摯(しんし)に耳を傾けていればと思うと、残念でならない」(同氏)

 河野太郎デジタル大臣は、被災者に「マイナンバーカードを携えて避難せよ」(のちに撤回)、と自身の政策のPRには余念がないようだが、たとえ、マイナンバーカードが活用されたとしてもそれは「便利」なだけであって、人命が救助されるような話ではない。まったく無意味なドローン規制を続けるというのは、日本人の命をなんだと思っているのだろうか。猛省を求めたい。