ローソンが3番手になった理由、買収戦略で格差
現在、国内のコンビニ業界トップはセブンイレブン、第2位はファミリーマート、第3位はローソンの地位がほぼ定着している。コンビニ店舗数の飽和を考えると、ローソンがさらに成長するためには新しい試みが必要不可欠だ。
2001年、三菱商事はローソンの筆頭株主になった。それ以降、ヒト・モノ・カネの面からローソンの成長を強力に支援してきた。一時は、積極的な出店、買収、三菱商事との関係を生かした商品計画とマーケティング戦略などが功を奏し、国内コンビニ第2位に躍り出た。
ローソンは海外戦略も強化し、中国、インドネシア、ハワイ、タイ、フィリピンに出店した。最大手セブンイレブンへの追走姿勢が鮮明になった時期もあった。その背景には、少子高齢化などで国内コンビニ市場の拡大が難しいことが挙げられる。国内で獲得した資金を、成長期待の高い海外事業に再配分することは合理的な事業戦略だ。
しかしその後、ローソンの成長の勢いは鈍化した。18年頃、ローソン全店の平均販売額(1日当たり)はファミリーマートに逆転され、その後は第3位がローソンの定位置と化した。
その要因として、買収戦略の差は見逃せない。ファミリーマートはエーエム・ピーエム・ジャパンを買収し、サークルK・サンクスも統合した。その時点で、コンビニ業界の再編はほぼ完了したといえる。
20年、伊藤忠商事は、ファミリーマートを買収し非公開化に踏み切った。不特定多数の株主の目にさらされなくなったことで、ファミリーマートの事業運営のスピードは一段と加速した。また、コンビニ業界全体でドラッグストアや総合スーパーとの競争が激化した。
ローソンの収益性には、三菱商事もずいぶんと頭を悩ませてきたことだろう。現状を打破するために白羽の矢が立ったのがKDDIだった。一方、携帯電話事業などでNTTの後塵を拝するKDDIとしても、新しい収益源を開拓する必要があったことは明白だ。