「納めても納めても楽にならず……」
確定申告する人たちの恨み節
ところで、2月16日から確定申告の受付が始まった。自営業やフリーランスはこの時期に、一年分の売り上げと経費を計算し、所得を申告しなければならない。税金額を確定するためである。
間違えれば修正申告が求められるし、売り上げの規模によっては税務調査の対象となる。ほとんどの善良な市民は、間違えて脱税の嫌疑をかけられたくないから申告には神経を使うし、税理士に申告作業を依頼する人もいる。税理士がいたとしても、経費の領収書や取引先からの支払い調書をまとめる作業はそれなりに手間であり、よっぽど事務や経理作業が好きな人でなければ、気の重い仕事であることは間違いない。
さらに、昨年にはフリーランスを泣かせるだけの制度として悪名高いインボイスが導入されている。
例年ストレスフルなこの時期に、今年はさらに「議員はいいよな、見逃してもらえて」という恨みつらみが乗っかってくる。
確定申告を行う納税者である筆者も、今年の申告は例年以上に気が重かった。「納めても納めても我が暮らし楽にならず、じっとニュースに見入る」といった具合である。せめて納得のいく使われ方をしてくれているのであればまだしも、「万博トイレ2億円報道」などを見てため息をつく毎日である。
岸田首相は2月16日の確定申告初日に「それぞれの納税者の皆様方に法令にのっとり、適切に申告・納税を行っていただくようお願いを申し上げたい」と発言したが、これが報道されるとSNSでは当然ながら批判が噴出した。どの口で、という話である。
2月20日付東京新聞(https://www.tokyo-np.co.jp/article/310291)や同日付のテレ朝ニュース(https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/900001600.html)など、庶民の不満を伝える報道も続いている。
2月21日には鈴木俊一財務相が「国民が不安や怒りを持っていると感じている」「労務省で担当職員が大変苦労しているのは申し訳ない」と言及する事態に。
SNS上では「#確定申告ボイコット」のハッシュタグも生まれた。