しかし現実には、それができる上司は少ないのです。「問題がなければ、いいところは特に言及しなくても大丈夫だろう。言わなくてもわかるはずだ」と思い込んでいる人が少なくないのですね。

 だからこそ、待っているより聞いてしまったほうがいいのです。

 これが「評価的支援」を求めるということです。

落ち込んだときには「情緒的支援」
ポイントは相談相手を選ぶこと

 仕事で失敗したり、対人関係がうまくいかなくて、気持ちが落ち込んでしまったりしたとき、どうしていますか?

 弱みを見せたくない、迷惑をかけたくないという思い込みが強いと、ひとりでなんとかしんどさを乗り越えようとしてしまいますが、それではよけいにつらくなってしまうもの。

 落ち込んだときこそ、誰かの力を借りましょう。4つのサポートのうち「情緒的支援」をもらうのです。

 ただ、相手選びはとても大事です。あなたの落ち込みをバカにしたり、「そんなことぐらい気にするな」と軽んじたりするような人に話すと、後悔するのは目に見えています。

 落ち込んでいるときには、ただただ寄り添って聴いてもらい、共感してもらうことが、いちばんの薬になります。

 共感をしてもらえると、つらい気持ちを吐き出すことができるとともに、「わかってくれる人がいる」という安心感で気持ちがラクになります。信頼できる人がいるだけで、心は救われるものです。

 力を借りるべき相手は、気の置けない友達や家族、同僚などがいいでしょう。ポイントは共感してもらうことですから、気持ちをわかってくれる人に話しましょう。

 もしも身近に話せる相手がいないなら、カウンセラーに相談することも視野に入れてみてください。カウンセリングはまだハードルが高いと感じている人も多いのですが、お茶を飲みに行く感覚で気軽に利用してもらっていい場所です。

書影『仕事で悩まない人の相談力』(WAVE出版)『仕事で悩まない人の相談力』(WAVE出版)
船見敏子 著

 一般的にカウンセリングには、メンタル不調になった人や疲れ切った人が行くところというイメージがあると思います。もちろん、そうした人のサポートをするという役目もあるのですが、それだけではありません。

 気持ちがもやもやとしたときに、その整理のお手伝いをしたり、キャリアアップしたいときにその方法を一緒に考えたり、といったサポートもしています。

 カウンセラーによって対応範囲は異なりますが、もっと気軽に来てほしいという思いは共通しています。

 今はSNSを活用したカウンセリング機関も増えています。専門家が相談にのってくれるので、短時間ですっきりできると思いますよ。