さて、新次元に到達しつつあるその都知事選も、ものすごく散らかった部屋がそうであるように、ひとつずつ片付けていけば事態を整理整頓して観じることが可能である。ただ、散らかりすぎていて見た目のインパクトが強く、見た人の思考を一瞬停止させてしまうような混沌があるというだけである。
では、2024年の都知事選を散らかしている要因は何か。
小池・蓮舫・石丸3氏、
それぞれの「傷」
まずは、候補予定者の主要どころのすっきりしなさである。通常なら票を多く集めるであろうと想定される立候補者が、スネに傷を持つ……とまでは言わないが、「スネに持つ傷を隠している可能性が疑われる」ごとき按配で、どこか釈然としないのである。
現時点で、都知事選を解説したニュース記事でよく名前が挙がっている候補者は現職の小池知事、立憲民主党の蓮舫議員、それと安芸高田市の石丸伸二市長であろうか。
まだ正式表明しておらず、最も効果的なタイミングでそれを行うだろうと予想されている小池知事は学歴詐称疑惑の真っ只中であり、蓮舫議員はその点を追及する姿勢を見せているものの、ネット上では蓮舫議員の過去の「二重国籍」や「2位じゃダメなんですか」発言をこする勢力も強い。
蓮舫議員の出馬表明まで話題をさらっていた“バズる市長”で有名な石丸市長は、居眠り市議を「恥を知れ」と叱ったことなどで知られ、特にSNSで人気が高く、正義の使者然とした出自である。しかし、たとえば「安芸高田市長職を任期途中で辞職して都知事選に立候補することの是非」が取り沙汰されたりもしていて、ちょっとケチがついている状態である。