林芳正官房長官にもつながる
UBE創業家である俵田家
かつては各都道府県の経済界に君臨する名家が、必ずあった。今も島根の大山林地主の田部家や、岡山の大原美術館で知られる大原家などがあるが、維持するのは大変なようだ。
山口県宇部市のUBE(旧宇部興産)の創業家である俵田家は、創業者の孫の武が木戸孝允(桂小五郎)を祖とする木戸侯爵家の婿養子(内大臣木戸幸一の孫娘と結婚)になった。孫娘の万里子は蔵相だった林義郎と結婚し、その子が林芳正官房長官だ。
林家は山口県下関市でバスやガスを経営。芳正は4世議員だ。下関は山口4区だったので、長門市出身の安倍晋三に追い出されて、芳正は参議院議員だった。だが、宇部市を含む山口3区で衆議院議員に転向。現職の河村健一元官房長官を追い出しての異例の公認だったが、当時は、宇部興産の後押しあればこそとも言われた。
だが、定数改定で山口県が4選挙区から3選挙区に再編され、安倍後継の現職を押しのけて下関に戻ってきた。
また、林義郎の妹は、前大分県知事・広瀬勝貞の妻である。広瀬の父は郵政相・広瀬正雄で、江戸時代の教育者・広瀬淡窓の系統を引く。なお、広瀬勝貞の次男で、神戸製鋼所に勤務していた建が、次期総選挙で立候補予定だ。