経済的にも豊かな徳川家と藤原家
皇族の養子候補として注目の東久邇家

 公家や武家では、藤原五摂家と徳川一門は、経済的にも豊かで相変わらず隆々としている。

 五摂家でも格が高い九条家は男系で、藤原鎌足から連続している。先代の九条道弘は平安神宮、当代の九条道成は明治神宮の宮司である。曽祖父の妹が大正天皇の貞明皇后である。

 同じく近衛家は、後陽成天皇と近衛前久の娘の子が近衛信尋となり、文麿の外孫の忠煇(細川護熙元首相の弟)が継いでいる。忠煇の夫人の甯子は三笠宮崇仁親王の長女。

 徳川は、将軍家(宗家)と御三家、御三卿だけが名乗れる。明治になって、田安家出身の家達を16代目として継がせたので、慶喜とその子孫の処遇のために、慶喜家も公爵にした。

 ところが前述の通り、最近、慶喜家を絶家とすることが決まり、紀州家も見通しが立っていないようだ。宗家も17代の家正の後、外孫の恒孝を会津松平家分家から養子にし、その子が立憲民主党から選挙に出馬した家広で、19代目を継いだ。だが、ベトナム人の夫人との間に子がない。一方、男子の数が多いのが、御三卿の一つ田安家で、他家に養子を出したりしている。

 皇位継承問題で旧宮家が注目されているが、男子の数が多いのは、久邇家、竹田家、東久邇家である。特に、竹田家と東久邇家は明治天皇の、さらに東久邇家は昭和天皇の子孫であるので、皇族の養子候補として注目されている。

 ただ、これらの家は現皇室と血縁関係が濃すぎるので、愛子さまや佳子さまのお相手としては旧宮家の中では目立つ存在でない。だが、賀陽家は、愛子さまのお相手候補として注目されているようだ。

(評論家 八幡和郎)