圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回インタビューするのはFIDIAグループのEvand株式会社の今井雄基部長。年間1万人の新卒・中途採用面接を行う人材のプロから、「面接辞退者を減らすための取り組み」について、話を聞いた。(構成・石井仁朗/ダイヤモンド社書籍編集局)

頑張っているのに面接辞退者が相次ぐ担当者がやりがちな努力・ワースト1Photo: Adobe Stock

応募→採用の余白は危険

――採用では、応募数同様に面接辞退者への悩みも多いようです。
会社全体で取り組んでいることはありますか?

今井雄基(以下、今井):当然ですが、応募者とのコミュニケーションを大切にしています。
コミュニケーションとは「時間」のこと。

応募者と当社間で“接点”ができた瞬間にアクションを入れられる工夫をしています。

――具体的には?

今井:自動応答システムを活用しています。

たとえば、応募者が面接を予約する場合、応募→日程調整の流れになりますが、これをメールや電話などのアナログでやる場合、応募者と採用者間に “余白”が生まれてしまう。

応募者側からすると、企業から翌朝に面接の日程調整メールが届く→応募者が希望日を伝える→企業から面接の日時連絡がくる形となる。
深夜に応募した場合、面接日が確定するまでに早くても翌日午後になってしまう。

これは応募者側にすると、かなりのロスタイムになる。

一方、企業側は、応募者対応の社員が9時出勤でも、9~11時には面接が入っているケースが多い。となると、応募者への返信は11時以降、もしくは午後以降となる。この連絡をメールや電話でする。

当然ながら応募者は複数なので、どんどん応募者と時間の溝が深まっていく。

そして採用者も面接や日程調整の対応に追われてしまう。
これは応募者側も企業側もまったく良い状態ではないのです。

ムダな業務をゼロにする仕組み

今井:そこでEvandでは、応募→面接日時の決定を完全自動化できる「自社ツール」を導入しています。

応募者側は応募から面接日が早ければ5分~10分で完了。
採用側も日程調整などの工数もかかりません。

さらに、このシステムには書類選考の合否など応募者のスクリーニングもでき、面接の1日前や3日前に応募者へのリマインド通知機能もあります。

応募に対して1件1件電話やメールをするのは、応募数が増えれば増えるほど大変です。
各企業にはまだまだ可視化されていない、意外と盲点になる業務があります。

その点では、Evandの場合、盲点となる業務はかなり少ないと自負しています。

今回のお題「頑張っているのに面接辞退者が相次ぐ担当者がやりがちな努力・ワースト1」に答えるとすれば、「1件1件電話やメールで対応する」となるかもしれません。

これからの時代、採用で「自動応答システム」を活用している会社としていない会社で大きな差がつく時代になると思います。

『スタートアップ芸人』には、どんな業界でも使える「面接のマル秘テク」が詳細に書かれているので、とても参考になると思います。