古都・長安の雰囲気に
どっぷりと浸かってみよう

22見どころが盛りだくさん過ぎる施設内
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 中国初の唐代の庶民生活を体験できる没入施設と銘打って2022年にオープンした長安十二時辰。3フロア、2万4000平方メートルを、テレビドラマ『長安十二時辰(日本放映時タイトル:長安二十四時)』の美術スタッフがドラマセットそっくりに再現し、「すべての唐代の文化と生活を体験可能」というコンセプトを実現しています。

 施設内の調度品、什器、スタッフの服装、提供される食事、商品やサービス、流れる音楽などなどの雰囲気が統一された空間を、唐代の長安にタイムスリップしたかのような気分で楽しめる大型エンターテインメント施設です。

 結構広い敷地内では、そこかしこで「12」をテーマに掲げた唐代のパフォーマンスが行われているので、うまく時間をやりくりしてはしごしましょう。

 ドラマに使われたセットが再現されているので、場内で借りられる衣装を着て、登場人物になりきった写真や映像を撮ることが可能。ただの観客としてではなく、パフォーマーのひとりになったような体験を楽しめます。

長安十二時辰
所在地:西安市曲江新区大唐不夜城東側曼蒂広場
時 間:10:00~22:00(チケット販売は20:30まで、入場は21:30まで)
料 金:大人128元、学生と子供68元
※最新情報の取得や予約はWeChatで「長安十二時辰」を検索
232010年の国慶節に開業した歩行街「大唐不夜城」
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 大雁塔の正面、三蔵法師の像の立つ大雁塔南広場(玄奘広場)から南の開元広場まで、およそ1km強にわたって商業施設が立ち並ぶ大通りは、大唐不夜城と呼ばれる歩行者天国です。

 長安として栄えていた頃の活気ある様子を味わえるよう、色調を合わせたていねいな造りのテーマパークという雰囲気。左右には大劇場、音楽ホール、美術館、映画館といった文化的な施設をはじめ、ショッピングセンターやブランドショップなどの商業施設、そして中央寄りの左右にはこじゃれた造りの屋台が、そして中央には唐代と現代の大きなオブジェが飾られるのに加えて野外ステージなども設営されていて、ただ道を歩くだけでも飽きさせません。ステージではときおり催しが行われています。

 ここを訪れた日暮れから夜にかけては美しくライトアップされて幻想的な風情を漂わせており、平日にもかかわらず、国内観光客のみならず地元の若い人たちも集まってきているのが印象的でした。連日30万人が訪れている、という話も。とんでもない数ですが、それもうなずける活況でした。

大唐不夜城
所在地:西安市雁塔区慈恩路
時 間:終日
料 金:無料(演し物によっては席料の設定あり)
※最新情報の取得はWeChatで「大唐不夜城」を検索
24©中国駐東京観光代表処

 ここまでで紹介した見どころでは、中国伝統の衣装「漢服」を着ている人たちを多く見かけることでしょう。城壁にいたような“プロ”以外にも、老若男女が思いおもいの漢服を身にまとい、家族や友達同士で写真を撮り合ったり町を闊歩したりする様子を当たり前のように目にします。

 彼らが着ている漢服を貸し出す店は各見どころのそこかしこで営業していて、多くの服を揃えているだけでなく、メイクをばっちり施してくれて、雰囲気を高めるウィッグやうちわなどの小道具も用意してくれています。さらに、唐代を彷彿とさせる古い壁や、ライトアップされた夜の大雁塔を背景にプロカメラマンが撮影までしてくれるコースも(大唐不夜城の画像の下中央が撮影の様子)。借りた衣装は、系列店なら都合のよいところで返却できるのも便利です。

 女性向けの衣装が豊富なのは当然ですが、武官や文官など男性のなりきり衣装も潤沢。子供用もあるので、個人でもカップルでもご家族でも、かつての長安をそぞろ歩いているかのような気分を味わえます。

 お値段も、メイクと衣装だけなら100元前後、写真撮影ありで200~300元程度(店による)。今ずいぶん弱くなっている日本円換算で2000円から6000円くらいなので、日本の観光地の浴衣や着物を貸し出すサービスと比べてもずいぶんお得な印象です。

 せっかくの機会ですから、唐代にタイムスリップしているような体験を試みてはいかがでしょう。店先に掲げられた二次元コードをWeChatで読むと詳しいサービス内容がわかるようになっています。

漢服公社
所在地:大雁塔敷地内
時 間:見どころの開業時間に準じる
※最新情報の取得はWeChatで「漢服公社」を検索
※各見どころの敷地内や出入口そばに同様のサービスあり