「平成版」を知らない10~20代のZ世代が
『らんま』ファンになった意外な理由

 まず、再アニメ化に対して圧倒的に高い熱量を示しているのは、数が多い往年のファン勢・30~50代である。彼らには期待か不安、またはその両方があるが、そのどれであっても感情の絶対値が大きい。詳しくは後述する。

 10~20代では『らんま1/2』という作品に対する認知度がそもそも低く、「自分の周りに『らんま』を知っている人がいない」と嘆く若者が散見される。

 しかし、そう嘆く若者はどこかで『らんま』を知るきっかけがあったわけで、どう知ったかひとつひとつ上げるとキリがなくなってしまうが、たとえば以下のようなケースがある。

・父、または母に勧められて

・家にあった単行本(母の蔵書)を幼稚園の頃読んだ

・海外の人が『らんま』のコスプレをしているのを見て、作品に興味を持った

・キッズステーションで再放送されていたのを子どもの頃に見た

・高橋留美子のファンで、さかのぼって『らんま』も読んだ

 1989年の平成版のアニメはキッズステーションや地方局などで繰り返し再放送されてきたそうなので、そこからのファンは10~30代と年齢の幅が広い。

 また、個別の作品のみならず、高橋留美子という漫画家自体についているファンも多い。高橋留美子先生はというと、昔からほぼずっと『週刊少年サンデー』で連載を続けていて、現在も『MAO』という作品をバリバリ連載中であるから、新規の高橋留美子ファンは間断なく増え続けてきているわけである。