圧倒的熱量の30~50代
『らんま』平成版でアニオタに目覚めた!

 30~50代の往年のファンは、先にも書いた通り期待と不安ではち切れんばかりになっている。この人たちには原作またはアニメ(平成版)への強い愛がまずあって、そこからこの度制作される令和版アニメへの想いが生まれている。

・アニメは平成版が至高なのは変わらないが、それはそれとして令和版も見てみたい

・再アニメ化でグッズ展開も新たにあるだろうから、それがうれしい

・今の時代にあの『らんま1/2』がどう映像化されるのか、様々な点で楽しみ

 また、調べていく中で興味深かったのは、「『らんま』平成版アニメでアニオタに目覚めた」という人が多かった点である。

 なぜそうなのか、これにはいくつかの理由が推測されるが、もっとも主だったものを挙げるなら「声優陣がものすごかった」である。山口勝平、林原めぐみなど、一時代を築き上げてきた現代の大御所声優たちが、当時は新進気鋭の若手声優として一堂に介したのが平成版『らんま』であったから、それだけで作品に漂う覇気が尋常でなかった。その覇気に当てられて、多くの少年少女がアニオタとして目覚めていったようである。

 また、平成版でキャラクターデザインを努めた中嶋敦子氏もアニオタの中では崇拝の対象となっているほどのカリスマであり、氏にとっても『らんま』が出世作であったから、一部のファンは「もし令和版に中嶋敦子が関わらなかったとして、自分はそれを『らんま』と呼べるのか」と不安がっている。

 令和版への不安でいうと、やはり「声優はどうなるか」に特に注目が集まっている。もはやひとりひとりが大御所となった声優陣をまた集めるのは現実的ではないし、『うる星やつら』の令和版アニメでは昭和版から声優が一新されたから、『らんま1/2』令和版もそうなるのではないか……というのが大方の見通しだ。