宇都宮ライトラインが絶好調!純利益は「計画の3倍」地元民が歓喜するワケ宇都宮駅東口などでの平日朝の混雑状況 Photo by W.M.

「早く乗り換えないと!」快速運行で乗客2割増
宇都宮駅でライトライン・ダッシュが発生

 ライトラインの好調ぶりを物語る光景が、朝の宇都宮駅東口・ペデストリアンデッキで見られる。特に、午前6時台1本、7時台1本の快速が発車する前に、足早にJRからライトラインへ乗り換える人々の「東口ダッシュ」が増えつつある。

 増便や快速の運行開始を行った4月のダイヤ改正から、1日当たりの利用者はおよそ2割増え、定期利用者はおよそ4割も増加しているという。しかし、ライトラインの定員は160人、座席は50席しかなく、各便とも筆者の目視で180~200人ほどが乗車している状況では、ぎゅうぎゅう詰めの大混雑は必至。そのため、安定して立てるポジション(入口のポールなど)だけでも確保すべく、「早く乗り換えないと!」と言わんばかりに通勤客が大移動し、ダッシュが生じているようだ。

 ライトラインの開業前から、宇都宮駅では東北新幹線やJR東北本線からの乗り換えが非常に多い。宇都宮市へ通勤する人々のうち、東京都や埼玉県などからの遠距離通勤は7482人、全体の11.6%を占めている(宇都宮市資料)。その一定数が鬼怒川東岸の工業地帯へ勤務する人々であり、これにホンダの拠点がある芳賀町への遠距離通勤者が加わるが、以前は各企業の送迎バスに乗り換えて通勤する以外の手段が、ほぼなかった。

 しかし開業後は、工業地帯内で最大手企業であるホンダが、1日約60本、5~10分間隔で運行していた送迎バスを廃止し、ライトラインへの定期代支給に変えた。こうした流れが他の企業でも続いていることもあって、ライトラインは通勤の足として定着した。鉄道経営の観点では、「長距離利用で単価が取れる」ことも、順調さの大きな要因だろう。なお、4月に続いて7月にも増便を伴うダイヤ改正を実施している。