菊酒と「美容と健康に効く(菊)お守り」も

菊大輪の花を咲かせる菊は「重陽の節句」のシンボル。新暦の現代では10月半ば以降が見頃となる

 嵐山方面では二つの寺社で重陽の節句のイベントが。智慧(ちえ)を授ける虚空蔵(こくうぞう)菩薩を本尊とする渡月橋近くの法輪寺(西京区)では、午後1時から「重陽の節会」を開催。法要の後、謡と舞が奉納されます。

 芸能人の信仰が厚い車折(くるまざき)神社は、嵐電「嵐山」駅から三つ目の同じ名前の駅からすぐ。こちらも同じ、午後1時から「重陽祭」が営まれます。祭典の後に菊酒の無料接待があります。正午までに行けば、黄色の菊の花をデザインした「美容と健康に効く(菊)お守り」も授かれますよ。

 ここで改めて、五節句についておさらいを。中国では、奇数は縁起のよい「陽」の数字と考えられてきました。3月3日は「上巳(じょうし)の節句」、5月5日は「端午(たんご)の節句」、7月7日は「七夕(しちせき)の節句」と呼びます。元日の1月1日は年の初めの別格感もあってか、代わりに七草の節句とも呼ばれる1月7日が「人日(じんじつ)の節句」として加わります。

 1月7日には、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろの7種の山野草を刻んでおかゆに仕立てた「七草がゆ」をいただいて、1年間の無病息災を願います。3月3日にはひな人形を飾り、京都では「引千切(ひちぎり)」というお菓子やばらずしをいただきます。5月5日はこいのぼりや五月人形を飾って柏餅をいただき、7月7日には願いを込めた短冊を笹の葉に飾ります。

 これら四つの節句は子どもの頃からなじみのある行事ですね。では、9月9日「重陽の節句」は何をする日なのでしょう。

法輪寺法輪寺(右京区)の本堂右手にある展望所からは嵐山一帯を見渡せる