自分が大事にしていることを反対されずに理解してもらえることは自己肯定感が高まるものであり、マネジャーの方には1on1などの機会に、ぜひ違いがあってもそれを尊重し、理解しあう対話をしてほしいと思います。価値観や考え方の違いが見つかることは問題ではなく、より良い体験設計の手がかりになるものです。
「違いを知る対話」
3つのステップ
ここで、「違いを知る対話」をうまく行うための方法をお伝えしておきましょう。3つのステップがあります。
1.「違い」を見える化する
共通点は大事ですが、それだけを話していても本音が見えてきません。一方で、他者と意見や考え方が異なることは、居心地が悪いことでもありますが、違っていて当たり前、むしろ「違い」「ズレ」を面白がるようなスタンスで「対話」をしていくのがポイントです。
「違い」を見つける上で効果的な手法は「選択肢を用意すること」です。「好き?嫌い?」「許せる?許せない?」「(1)今の仕事そのまま(2)範囲広げる?(3)全然違うことやりたい?」など選択肢を用意すると、答えやすいうえ、それぞれの「違い」や「ズレ」が見えやすくなります。当然ながら、正解のない質問、「どちらを選んでもOK」という前提の質問でなければ、「違い」を見つけるための質問にならないので注意が必要です。
2.「違い」を掘り下げる
「違い」が見えてきたら、それを受け止めて掘り下げていきます。ポイントは、どう思ったのか、どう感じたのか、嬉しかったのか、つらかったのかなど、意見だけでなく、感情を表現してもらうことです。
感情を聞き出し、なぜそう感じたのか語ってもらうと、その背景にある「想い」「認識」「考え方」が見えてきます。また、どんなところにこだわりがあるのか、なぜそう思うようになったのか、きっかけになった経験は何か、などと掘り下げることができると、より理解が深まります。
「この会社で何がやりたいのか」「この会社はどうなってほしいと思っているのか」「入社時はどんな思いを持っていたのか」など、普段話さない「思い」について問いかけてみると、相互理解が深まります。