洛中の酒蔵見学と京都三条会商店街
二条城の北側には、俳優・佐々木蔵之介さんの実家「佐々木酒造」があります。1893(明治26)年創業で、洛中で日本酒を醸す唯一の酒蔵です。いまでは伏見に京都の酒蔵は集中していますが、室町中期の最盛期には約300軒、佐々木酒造が創業した約130年前でも131軒の蔵元が洛中にありました。
佐々木酒造の売店では、「聚楽第」「古都」「平安四神」といったブランドの有料試飲や、日本酒を使ったピクルスや菓子、石けんなどが購入できます。日本酒が醸される秋から冬にかけては「蔵見学」が必見。開催日程などは佐々木酒造のイベントカレンダーで確認の上、予約が必要となります。泡をたてながら発酵が進む仕込み中のタンクをのぞくと、「酒って生き物なんだ!」と実感できます。なお、見学前日と当日に納豆を食べることは厳禁です。
さて、二条城の南側でぜひ訪れたいのが「京都三条会商店街」。最近は海外からの観光客の姿もちらほら見られますが、すっかり変容してしまった錦商店街とは異なり、昔ながらの京都を感じられる「なんでもそろう地元の商店街」です。アテネオリンピックのマラソン金メダリストの野口みずき選手が、雨の日にここでトレーニングをしたというエピソードもある、西は千本通から東は堀川通まで、洛中最長800mのアーケードを往復してみましょう。
おすすめのスイーツは白みそだれが上品な「祇園ちご餅」。アーケード東の入り口にある老舗「三條若狭屋」の京みやげにぴったりな名物菓子です。おいしいスイーツと町家の風情の両方が楽しめる「Sweets Cafe KYOTO KEIZO」は、賞味期間がたった10分のモンブランが話題の町家カフェ。他にも、ランチと焼き菓子がおいしい「さらさ3」や、ジェラートカフェ「プレマルシェ・ジェラテリア」などがおすすめです。
地元の商店街なので、魚屋さんや八百屋さんで、焼いたハモや京野菜、おばんざいを買うこともできますよ。ホテルに持ち帰って食べるのもよさそうです。
そして、忘れてはいけないのが「又旅社(またたびしゃ)」。かつて神泉苑の南端に位置し、祇園社(八坂神社)から神輿を迎えた地に鎮座していた、祇園祭発祥の社とされています。商店街の中に神社があるのも京都らしい点ですね。