これは必見!道長の字跡と相国寺の特別拝観

京都文化博物館特別展「生誕140年記念 石崎光瑤」や総合展示「近衞家 王朝のみやび 陽明文庫の名宝14 ―御堂関白記と源氏物語」が開催中の京都文化博物館(写真は別館)

 三条通の京都文化博物館(中京区)の2階総合展示室では、11月24日まで「近衞家 王朝のみやび 陽明文庫の名宝14 ―御堂関白記と源氏物語」が開催されています。大河ドラマ『光る君へ』でも注目される藤原道長が、33歳から56歳までの23年間にわたってつづった日記『御堂関白記』(国宝)。現存する14巻の自筆本のうち、書き始めの部分を含む巻が、前期、後期に分けて計4巻公開されます。字は性格を表すといいますが、道長自身の手でつづられた字跡をたどってみてください。

 第23回で触れた二条城(中京区)では、10月25日~12月8日の間、18年ぶりの本丸御殿一般公開を記念したライトアップイベント「本丸御殿公開記念 NAKEDmeets 二条城 2024秋の豊穣祭」が行われます。デジタルアートと、音楽、香り、食などが融合したアートな秋祭りで、本丸御殿と庭園がライトアップされ、本丸御殿では初となるプロジェクションマッピングショーも実施。昼間の表情とは異なる幻想的な雰囲気が楽しめますよ(別途チケットが必要)。

 前回(第26回)ご紹介した“奇想の絵師”伊藤若冲の墓の一つがある相国寺(上京区)では、通常非公開の「法堂」「方丈」「開山堂」の秋の特別拝観を12月15日まで実施中です。相国寺は、室町幕府3代将軍足利義満が第100代後小松天皇の勅命を受けて創建し、夢窓国師を勧請開山とした禅寺です。法堂は、火災による4度の焼失を経て、1605(慶長10)年に豊臣秀頼の寄進により再建された5代目。現存する禅寺の法堂として日本最古の建造物です。

 禅寺では本来、ご本尊は仏殿にいらっしゃいますが、相国寺の仏殿は応仁の乱で焼失以来、再建がなされていないため、鎌倉時代の仏師運慶作と伝わるご本尊の釈迦如来と脇仏が法堂に安置されています。

 法堂内部の天井を見上げてみると、ギロリとにらみを利かせる龍と目が合います。こちらは、狩野光信が描いた「蟠龍図(ばんりゅうず)」。円の外側に描かれていた雲は色あせていますが、内側の彩色はくっきりと残っています。堂内で手をたたいたときに響き渡る音が、龍の鳴き声のようにも聞こえるといわれ、「鳴き龍」の異名も。ぜひ堂内で手をパン!とたたいてみてください。鳴き龍にちなむ龍のデザインのお守りや「龍みくじ」も授与されていますよ。

 法堂の北側に立つ方丈も、火災による焼失を経て1807(文化4)年に再建されたもの。法堂の眺めを際立たせるため、白砂をメインとしたシンプルな造りの方丈前庭、白砂を植栽が囲む風流な方丈裏庭、二つの庭園を見比べてみてください。

【本文で紹介した名所ほか関連リンク集】
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