給料を押さえることは
財布を押さえたのと同じ

 PayPayは、あらゆる消費・生活・金融サービスの拠点となるスーパーアプリを目指してきた。毎月定期的にまとまったお金=給与が入ってくることになれば、それを拠点にさまざまな稼ぎ方が可能になる。

 さっそく10月2日よりPayPay証券による「PayPayおまかせ運用」の新サービスを開始した。ユーザーが給与を直接アプリで受け取れるようになれば、給与の一部がそのままスムーズに資産運用にスライドできるとの期待を込めたスタートだ。

「PayPayおまかせ運用」ではPayPay上の専用アイコンをタップし、収益重視か安定重視のいずれかの投資方針に沿って投資信託2本のうちから選ぶ。金額(100円以上)や積み立て頻度を決めて設定完了という、合計4ステップで運用をスタートできるとの触れ込みだ。

 もちろん、毎月の購入金額の1%のPayPayポイントを還元(上限700ポイント/月)したり、抽選で購入金額の最大100%のPayPayポイントが当たる(上限10万ポイント/月)キャンペーンも実施する。

 いずれは住宅ローンや各種保険料の支払いも、同じくPayPay上で給与分からスライドするようになっていくかもしれない。給与を押さえることは財布を押さえるのと同じ。お金の流れをがっちり囲い込めるというわけだ。

 なお、デジタル給与を導入すれば月一回払いにこだわらず、複数払いや週払いなどの可能性も見えてくる。例えばスポットワークでほんの短時間だけ働く人が増えているが、仕事が終わってすぐにアプリ上でデジタル給与として振り込まれれば、雇う側も働き手側にとってもメリットが大きいだろう。

 今年3月にメルカリがスポットワークに参入したが、将来的に自社QRコード決済アプリのメルペイで給与を受け取ることも想定しているとのことだ。リアル給与とデジタル給与が混在する世界は、すぐそこまで来ている。