中小企業同士のM&Aでトラブルが頻発していることを受けて、会社を売りたいオーナー経営者と買い手企業の間に立ってM&Aの成立を支援する、M&A仲介会社の存在に注目が集まっています。そこで、業界の内情に迫った特集『沸騰!M&A仲介 カネと罠』を再配信します。(記事初出時:2022年2月8日 ※記事内容は初出時のまま)
事業承継のためのM&Aはお任せください――!中小企業の経営者なら、そう言って近寄ってくるM&A仲介会社の1社や2社は思い付くのではないだろうか。だが、仲介会社の口車に乗って、安易に家業を売ってはいけない。特集『沸騰!M&A仲介 カネと罠』(全15回)の#4では、仲介会社や買い手となる企業の見極め方など、経営者として知っておくべき事業売却の正しい手順についてまとめた。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)
事業売却は人生の一大イベント
M&Aに失敗しないための注意点とは?
後継者不足という難題が目前に差し迫ったとき、いよいよ現実的に浮上してくるのが、M&Aによって家業を第三者に譲渡する選択肢だ。
言うまでもなく、経営者にとって事業売却は一生に一回あるかないかの一大イベントとなる。幸せなM&Aを実現するまでの道のりは決して平坦なものではない。
想定より多額の費用がかかってしまった。家業が買いたたかれてしまった。売却後に従業員が大量に辞めてしまった――。こうした後悔をせずに事業を売却するためには、M&Aの過程においてどんなポイントに注意すればよいのか。
今回ダイヤモンド編集部では、中小企業庁がまとめたガイドラインに加え、M&A仲介会社や税理士などの専門家への取材を通じてM&Aの一般的な流れや各フェーズの注意点を調べ上げた。次ページから確認していこう。