訪日外国人旅行者数が過去最高を記録し、旅行・ホテル業界は活況を呈している。特集『2025年「倒産ドミノ」勃発!?倒産危険度ランキング【上場434社・最新版】』の#6では、旅行・ホテル業界の倒産危険度ランキングを検証。“危険水域”にランクインした7社の顔触れを明らかにする。投資ファンドが目を付け、今後の“伸び代”が期待できる企業もランク入りした。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)
インバウンドが過去最高を記録
国内旅行はコロナ禍前を超えず
東京・銀座の飲食店では、午後2時を回っても行列が目立っている。並んでいるのは日本のサラリーマンではない。日本の食を満喫している外国人旅行者たちだ。
2024年7月上旬、円相場は1ドル160円台を記録。歴史的な円安水準となり、日本は“お得”な旅行先となっている。
24年1~9月の訪日外国人旅行者数は過去最高のペースで推移しており、1~9月のインバウンド消費額は5兆8582億円を突破した。これはすでに、23年の年間実績である5兆3065億円を上回っている。12月まで現在のペースで推移すれば、訪日外国人旅行者数と消費額は共に過去最高を記録する見込みだ。
一方、国内旅行では新型コロナウイルスの感染拡大の前まで戻り切っていない。観光庁の統計によると、23年度の国内旅行消費額は19年度比で0.1%減の21兆9101億円だった。旅行単価は上昇したものの、宿泊を伴う旅行者数は同9.7%減、日帰り旅行者数は同21.5%減となり、インバウンドほどの勢いは見られなかった。
インバウンドの増加で旅行・ホテル業界が復調を見せる一方、崖っぷちにある事業者も存在する。ダイヤモンド編集部は、旅行・ホテル業界の倒産危険度を検証した。その結果、7社が“危険水域”にランクインしたことが判明した。次ページで、7社の顔触れを紹介していく。6位に西武ホールディングス、3位にエイチ・アイ・エスが入った。