ソフトバンクの孫正義氏がいい例ですねえ。頭のレベルが違いすぎて何を考えていらっしゃるのかまったくわかりません。日本株ではありませんが、テスラのイーロン・マスクさんなんかもそうですよ。私が仮に米国人であったとしても絶対にテスラの株は買ってなかったと思います。

 かといって、自分よりだいぶ頭が悪いと思う社長さんの会社もこれまた買う気がしないのですよねえ(当たり前ですが、バカな社長の会社の株なんか買いたくありません)。

書影『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)
清原達郎 著

 すると、こういうことになるのです。投資する会社の社長のレベルが自分と似通ってくるのですよ。これは小型株の話ですよ。大型株は関係ありません。

 私のレベルを100とすると、大体は投資している小型株の社長のレベルは70から130ぐらいの間に収まっているのではないでしょうか。自分が理解できる社長は、やはり自分と似た人になりがちなのです。

 ある時、私はファンドのロングポジションのリストを眺めている時、こんな気持ちになったことがあります。

「まるで自分の顔を鏡で見てるようだ」

 従って、ボトムアップアプローチでの銘柄選好にはどうしても「自分に似ている」という強いバイアスがかかってしまいます。