ディーラー事件簿(3)
整備や修理、車検のトラブル
整備や修理、車検などでディーラーに納車した際に、トラブルが発生することもあります。筆者が実際に経験した例では、ドアミラーに傷が付いていたクルマを整備入庫したところ、戻ってきたクルマのドアミラーが丸ごと交換されていたことがあります。ディーラーからは何の説明もありませんでした。恐らく、激しくぶつけるなどしてドアミラーを破損してしまったため、新品に交換したのだと思われます。
また、ドライブシャフトブーツが破損した際、安価な分割型の使用を希望したら、「それはできない」の一点張り。ブーツが取り付けられたリビルト品(再生中古品)のドライブシャフトに交換するのが一番安いと言われ、押し通されました。しかし、後から調べたところ、そのクルマのメーカーのホームページには、「分割型を使用することでリーズナブルに修理できる」と紹介されていました。
人間が作業しているものなので、故意ではなくぶつけてしまうとか、ミスをして破損することも時にあるでしょう。とはいえ、それを顧客に黙っているなんて、モラルに反すると思います。また、メーカーがリーズナブルな修理法を紹介しているのにもかかわらず、ディーラー側の勝手な判断で利益を出そうというのも、とうてい納得のいかない話です。
こうした点検や整備などでディーラーにクルマを預けた際、ディーラーのスタッフ、あるいはディーラーが下請けに出している事業者がミスをしたという話は、筆者の実体験以外にも多々あるようです。修繕可能な範囲ならまだマシで、最悪の場合は廃車になるケースも想定されます。
万が一そうした事故が起きた際は、ディーラーはあくまで査定額で話を片付けようとします。しかし、愛車の価値を、そんな査定で決められたくないですよね。新車を販売する時には、「クルマには夢があります!」などと耳障りのいいセールストークを散々したくせに、トラブルが起きると「査定で何とか…」などと事務処理的な態度に一変するディーラーにだけは、当たらないようにしたいものです。
これから年末年始に向けて、ディーラーとクルマのやり取りをする人も増えるでしょう。質の悪いディーラーには十分、気を付けましょう。