儲かる農業2025 日本の夜明け#16Photo by Hirobumi Senbongi

ダイヤモンド編集部が選定する「中小キラリ農家ベスト20」で5位だった愛知県の武ちゃん農場は、トウモロコシやニンジンを庭先で直売する。固定ファンをつくることで、売上高は5年間で倍増し、8000万円に伸びた。利益率は37.5%と、中小キラリ農家の中でもトップクラスだ。特集『儲かる農業2025 日本の夜明け』の#16では、武ちゃん農場の儲かる秘訣を明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)

利益率4割の秘訣は輸送コストがゼロの
究極の販売方法「庭先で直売」

 愛知県碧南市にある武ちゃん農場が直売の比率を増やすことになった契機は、ふるさと納税だった。一時は、ふるさと納税のトウモロコシ部門で、全国首位になるほど人気を博した。2カ月で8000件の注文が入ったこともあった。

 だが、ふるさと納税でトウモロコシが売れるとなれば、他の農家も参入し、レッドオーシャンになる。それを見越して、武ちゃん農場は、食べチョクなどのインターネット販売や、庭先販売を徐々に増やす戦略を取った。

 そのようにして直売の比率を年々高め、主力のトウモロコシは庭先販売で6割、ネット販売で3割が売れるまでになったのだ(残りの1割は市場出荷)。

 武ちゃん農場の強みは、直売比率だけではない。次ページでは、利益率37.5%を誇る同農場代表の杉浦武昭さんに、生産の特長や、ファンづくりのコツなどを明かしてもらった。

 なお、中小キラリ農家ベスト20については本特集の#13『【中小キラリ農家ベスト20】ソニーの出資先が農業で年収1200万円の「高収益モデル」を提示!農のフランチャイズ化の最前線』を参照してほしい。