2025年、団塊世代が75歳以上になる~今、団塊ジュニアが考えるべき「年金」「介護」「仕事」のこと写真はイメージです Photo:PIXTA

 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることで起こる「2025年問題」。日本の社会構造や経済活動などにさまざまな問題を引き起こすとされている。これからやってくる困難な時代の実情を知り、不安なく将来を迎える術を考える。AERA 2024年12月23日号より。

*  *  *

 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、特に「社会保障費の増大」「医療に関わる人材の不足」「労働力不足の深刻化」の三つが大きな問題となってくる――。これがいわゆる「2025年問題」だ。

 団塊世代が後期高齢者になるということは、その子どもである団塊ジュニア世代にとっては親の介護、そしてそれに伴い自身の老後について否応なしに直面するというライフステージでもある。先延ばしにしてきた宿題にいよいよ取り掛かる――そんなタイミングだ。

 年金はもらえるのか、定年から年金受給までのあいだの仕事はどうするか、そもそも健康を害して仕事ができなくなったら――。心配はつきない。

[年金]

 まずは年金だ。受給年齢が引き上げられると、老後の生活の資金繰りは、より逼迫する。年金制度は大丈夫なのか。特定社会保険労務士の緒方瑛利さんはこう言う。

「年金の受給開始年齢が原則70歳へと急に引き上げられる可能性は低いので、それほど心配することはないでしょう。可能であれば、高齢になっても雇用保険に入れる程度の仕事ができれば、さらに心強いです」

 雇用保険は28年から適用が拡大され、加入要件である週所定労働時間数が現行の20時間以上から10時間以上になる。そのことでパートやアルバイトでも雇用保険に加入しやすくなる。

「雇用保険に入るといくつか条件はありますが、介護休業給付金、育児休業給付金、失業給付金など、支払う金額以上の給付を受けられる可能性があります。雇用保険ほどコスパのいい保険はないです」と緒方さん。

 年金を受け取るのはまだ先かもしれないが、将来いくらもらえるのかも確認したほうがよい。「ねんきん定期便」にはこれまでの保険料納付額や、これまでの加入実績による年金額などが示してある。35、45、59歳の人は封書で、受給者やその他の年齢の人にはハガキで届く。

「『ねんきんネット』に登録すると、自分の年金に関する情報が確認できます」(緒方さん)